よし【形容詞】:よい・立派である(+)
<例文> よき人は、ひとへにすけるさまにも見えず…
訳:立派な人は、いちずに風流心を持っている様子にも見えず…
よろし【形容詞】:悪くない・並一通りだ(+)
<例文>よろしき歌などよみて出だしたらむよりは…
訳:並一通りの歌など読んで差し出したのよりは…
わろし【形容詞】よくない・感心しない(-)
<例文>友とするにわろきもの
訳:友達とするのによくないもの
あし【形容詞】:わるい・粗末である(-)
<例文>親のあしき衣着せて…
訳:親が粗末な着物を着せて…
「善悪」の4段階評価を表す単語を紹介します。
よし(良し・善し)→よろし(宜し)→わろし(悪し)→あし(悪し)の順番で、
よい→悪くない→よくない→悪い
という風に意味が移り変わっていきます。
対義語としては「よし⇔あし」・「よろし⇔わろし」となります。
現代語の感覚で理解できる単語だと思いますが、よろし・わろしの微妙なニュアンスに注意が必要です。
また、良い・悪いの評価対象は、善悪だけではなく身分や育ちがよい・見た目がよい・頭がよいなど幅広い物事に対して表現する場合があります。覚えておきましょう。