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センター試験廃止&新テストについて(5)

2015年06月26日

~大学の個別選抜も変わる~

 

今回の「改革プラン」で示されているのは、「センター試験」→「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の変更だけではありません。「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」後に各大学が個別に行う個別選抜の制度いついても改革を求めています。

 

前出の中教審答申ではその具体的な方法として「小論文、面接、集団討論、プレゼンテーション、調査書、活動報告書、大学入学希望理由や学修計画書、資格・検定試験などの成績、各種大会等での活動や顕彰の記録、その他受験者のこれまでの努力を証明する資料などを活用」としています。

 

【曲がり角に来ていた推薦・AO入試】

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「高大接続改革実行プラン」では、「重視する点」として「大学入試センター試験の改革とあわせて、各大学が個別に行う入学者選抜(個別選抜)の改革を行うこと」をあげています。前述したように、大学教育の改革を行うためには、その入口である入試全体を変える必要がある―という考え方からです。

 

その背景にある問題の1つが、推薦・AO入試による大学入学者の学力低下問題です。

 

推薦・AO入試は本来、主に知識量を問う従来型の入試では評価が難しい、生徒一人ひとりが行ってきた多様な努力や、科学や芸術などの特定の分野における卓越した能力を評価し、大学に受け入れることを目的としたものです。

 

推薦・AO入試が広く行われるようになったことで、私立大学の入学者半分以上が一般入試ではなく、推薦・AO入試を利用して入学するようにさえなりました。

これは、志望する大学へのチャレンジの機会を増やしたい、少しでも有利な条件で入試に臨みたい・・・・と考える受験生側と、少子化が進行する中で確実に学生を確保したいと考える大学側の思惑が一致したためと言えるでしょう。

 

しかし近年になって、推薦・AO入試の弊害を指摘する声も多くあがるようになってきました

 

推薦・AO入試は、必ずしもペーパーテストによる試験を受ける必要がありません。ペーパーテストがあったとしても、一般入試人比べると教科・科目数が少なくてすんだり、競争率が低いといったケースも少なくありません。

 

そもそも「知識量ばかりを問わない」ことが目的で、それはそれで構わないとも言えるのですが、前述の通り、学生の半分以上が推薦・AO入試によって入学している現状では、学生全体の学力低下が見られるようになってしまったのです。

 

また、「受験勉強をあんまりがんばらなくてもいい」という理由で推薦・AO入試を利用するという、本末転倒のケースも見られるようになりました。

 

(次回:全国の高校の校長先生と、大学の学科長を対象に行われた推薦・AO入試についてのアンケート結果を紹介します。)

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