高校数学の落とし穴(基礎編)第13回
2015年10月30日

高校生がよくやってしまうNG解法と、正しい解法(または効率の良い解法)を紹介していきます。
★★☆ 《レベル2》
*************************************************************************
問 0°≦θ≦ 90° のとき y = (sinθ)^2 - √3cosθ の最大値とそのときのθ
の値を求めよ。
※ (sinθ)^2 は「sinθの2乗」です。
*************************************************************************
<解答または解答方針>
※ 記号について
「√」については、例えば、√(4-2)/2 = √2/2、√{(4-2)/2}=√{2/2}= 1 とする。
【NG1】:のろちゃん
(sinθ)^2 = 1 - (cosθ)^2 だから、与式は
y ={1 - (cosθ)^2}-√3cosθ
= -(cosθ)^2 -√3cosθ + 1
です(後はちょっと・・・)。
【NG2】:こたろう君
のろちゃん、もっと出来るでしょう。
cosθ = t とおけば、与式は
y = t^2 -√3t + 1
= -( t +√3/2 )^2 + 7/4 ≦ 7/4 これが最大値!?
【ベストアンサー】:もんじゅ先生
みなさん、関数には弱いですね。
cosθ = t とおけば、0°≦θ≦ 90° だから 0 ≦ t ≦ 1 ・・・① に注意する。
与式は
y = t^2 -√3t + 1
= -( t +√3/2 )^2 + 7/4 = f(x) ・・・② とおく。
放物線 y=f(x) は、軸の方程式が t = -√3/2( = -0.86… )で、上に凸のグラフだから、
-√3/2 ≦ t の範囲で減少関数(xが増加するとyは減少する)である。
よって、①の範囲も減少関数であるから、f(1) ≦ f(x) ≦ f(0) である。
したがって、最大値は x = 0 のとき f(0) = 1 《答》
このときのθの値は、cosθ = 0 から、0°≦θ≦ 90°の範囲で θ = 90°《答》
>>> 一言アドバイ <<<
最大・最小問題において、
(ⅰ)自分で置いた文字は、必ず定義すること。
(ⅱ)関数の増減および定義域について、説明またはグラフ(概形または増減表)を書く。