高校数学の落とし穴(基礎編)第17回
2015年11月27日

高校生がよくやってしまうNG解法と、正しい解法(または効率の良い解法)を紹介していきます。
★★☆ 《レベル2》
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問 全体集合U ={ 1 , 2 , 3 , … , 9 }の部分集合をA、Bとする。
A ={ x | xは素数 }、B ={ √x | xは整数 }であるとき、A、Bの関係を次の
(ア)~(エ)から選べ。
(ア) A⊂B
(イ) A = B
(ウ) A⊃B
(エ) (ア)~(ウ)のいずれでもない
※ 「√」については、例えば、√4 = 2、√(4-2) = √2、√4-2 = 2-2 = 0 とする。
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<解答または解答方針>
【NG】:のろちゃん
集合Aについて
2 , 3 , 5 , 7 , 11 , 13 , 17 , 19 , 23 , 29 , 31 , …
集合Bについて
√1 , √2 , √3 , √4 , √5 , √6 , √7 , √8 , √9 , √10 , …
一体これにどんな関係があるのだろう?
【正解】:こたろう君
あ、そうだった!「素数」素数は2からはじまる数だね。
のろちゃん、あとは部分集合の話、つまりA⊂U、B⊂Uであることに注意をしないとね!
集合Aは、1~9から素数を選ぶとA ={ 2 , 3 , 5 , 7 }
集合Bは、√の形で整数となるものを1~9から選ぶとB ={ 1 , 2 , 3 }
よって、包含関係は成り立たないので、
(エ) (ア)~(ウ)のいずれでもない《答》
【・・・】:もんじゅ先生
出番無しです。
>>> 一言アドバイス <<<
うっかりA ={ 1 , 2 , 3 , 5 , 7 }と考えてしまうとA⊃Bの(ウ)を選んでしまいます。
「素数」とは1より大きい整数で、1とそれ自身とのほかに約数をもたない数のこと。
これより、1は素数に含まれません。