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高校数学の落とし穴(基礎編)第21回
高校生がよくやってしまうNG解法と、正しい解法(または効率の良い解法)を紹介していきます。
★★☆ 《レベル2》
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問 命題「ある実数xについて、x^2-2x+2 ≦ 0 」の否定をつくり、その真偽を
調べよ。
※ x^2 は「xの2乗」です。
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解答・解説
※ 記号¬A は「Aの補集合(否定)」とします。
【NG1】:のろちゃん
前回やったやつでしょ。
命題 p ⇒ q に対して、逆q ⇒ p 、裏¬p ⇒ ¬q 、対偶 ¬q ⇒ ¬p 、あれ!
否定がない?
【NG2】:こたろう君
のろちゃん、この命題は前回と形式が違うよ!
集合A∩B形式の否定なら、ド・モルガンの法則 ¬(A∩B) = ¬A∪¬B とかが使えるな。
A:「 ある実数x 」、B:「 x^2-2x+2 ≦ 0 」としてそれぞれの否定を
¬A:「 すべての実数x 」、¬B:「 x^2-2x+2 > 0 」とつくれるが、あれ!
「 すべての実数x 」または「 x^2-2x+2 > 0 」となる?意味が分からない。
【ベストアンサー】:もんじゅ先生
まず変数xについての条件p(x)に関して次の2つの命題を考えることが出来ます。
(ⅰ)すべてのxに対してp(x)が成り立つ。
(ⅱ)あるxに対してp(x)が成り立つ。
さらにこのとき、それぞれについての否定をつくると
(ⅲ)(ⅰ)についての否定:あるxに対してp(x)が成り立たない。
(ⅳ)(ⅱ)についての否定:すべてのxに対してp(x)が成り立たない。
本問が(ⅱ)の形式なので、その否定が(ⅳ)となりますから、求める否定は
「すべての実数xについて、x^2-2x+2 ≦ 0 が成り立たない」、すなわち
「すべての実数xについて、x^2-2x+2 > 0 」《答》
また、この真偽については、
x^2-2x+2 > 0 ⇔ (x-1)^2+1 > 0 これは常に成り立つから、真《答》
>>> 一言アドバイス <<<
上の(ⅰ)(ⅱ)は記号∀、∃を用いて
(ⅰ)∀x p(x) (ⅱ)∃x p(x) と表せる。それらの否定(ⅲ)(ⅳ)は
(ⅲ)¬(∀x p(x)) = ∃x ¬(p(x)) (ⅳ)¬(∃x p(x)) = ∀x ¬(p(x)) となります。
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