高校生がよくやってしまうNG解法と、正しい解法(または効率の良い解法)を紹介していきます。
★★☆ 《レベル2》
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問 √3が無理数ならば、√3 + √5 は無理数である。このことを背理法を用いて
証明せよ。
※ 記号「√」については、例えば、
√4 = 2、√(4-2) = √2、√4-2 = 2-2 = 0 とする。
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<解答または解答方針>
※ x^2 は「xの2乗」とします。
【NG1】:のろちゃん
√3 +√5 = r(有理数)と仮定して、
両辺2乗すると 8 + 2√15 = r^2 ⇔ 2√15 = r^2-8 ・・・①
(①式の左辺)= 無理数
(①式の右辺)= 有理数
となり矛盾する。
したがって、過程は誤りなので√3 + √5 は無理数である。×《誤答》
【NG2】:こたろう君
√3 +√5 = r(有理数)と仮定する。
√3 = r-√5 この両辺を2乗すると、
3 = r^2-2√5・r + 5 ⇔ 2√5・r = r^2 + 2 ⇔ √5 = ( r^2 + 2 ) / 2r ・・・①
(①式の左辺)= 無理数
(①式の右辺)= 有理数
となり矛盾する。
したがって、過程は誤りなので√3 + √5 は無理数である。×《誤答》
【ベストアンサー】:もんじゅ先生
√3 +√5 = r(有理数)と仮定する。
√5 = r-√3 この両辺を2乗すると、5 = r^2-2√3・r + 3
⇔ 2√3・r = r^2-2 ⇔ √3 = ( r^2-2 ) / 2r
√3が与条件から無理数であり、このことは、r^2-2、2rが有理数より ( r^2-2 ) / 2r が
有理数であることに矛盾する。
したがって、√3 + √5 は無理数である。《答》
>>> 一言アドバイス <<<
√3以外、例えば√5などは無理数として扱えないし、無理数じゃないからといって有理数として扱えるわけでもない。与条件を正しく使うためには式変形に工夫が必要です。
