高校数学の落とし穴(基礎編)第32回
2016年5月19日

高校生がよくやってしまうNG解法と、正しい解法(または効率の良い解法)を紹介していきます。
★★☆ 《レベル2》
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問 A, B, C, D, E, F, Gの7文字を1列に並べるとき、A, B, Cがこの順に並ぶ確率
を求めよ。
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<解答または解答方針>
【NG】:のろちゃん
確率の計算で分母にくる数は、全事象7!(通り)。
次に分子にくる事象は、まずA, B, Cを1つにまとめて~~、
全体では5文字となるから~~5!かな。
【正解】:こたろう君
「A, B, Cがこの順に並ぶ」というところに注目する。
○ A B C ○ ○ ○
のように隣接する場合もあれば、
○ A ○ ○ B ○ C
のように離れる場合もあることに注意する。
そこで思い切ってA, B, CについてはA, A, Aと置き換えれば並び替えが無くなります。
すなわち、同じものを含む順列の計算となるのです。
確率の分子は 7!/3! ( = 840 )(通り)
分母は 7!(通り)
求める確率は (7!/3!) / 7! = 1/3! = 1/6《答》
【・・・】:もんじゅ先生
出番無しです。
>>> 一言アドバイス <<<
上の
A, A, A, D, E, F, G
の「同じものを含む順列」の計算は、つぎの計算でも可能です。
7ヶ所から4ヶ所を選んでD, E, F, Gを並べる方法より、
7P4 = 7・6・5・4 = 840(通り)
※ 記号:nPr は「順列」とします。