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解答・解説

A.タイトルには「much tooとtoo much」と書きましたが、too muchは良いとしても、much tooはmuch + [too ~]とした方が分かり易いでしょう。つまりmuch+[too ~] はa little+[too ~] やfar+[too ~]などのようにtooの前に“行き過ぎの程度”を表す副詞を色々とつけたものの一つと考えると構造がはっきりすると思います。ですからmuch too ~のmuchはtoo ~の状態がどの程度のものなのかを表しているということになります。
一方too muchは２語をセットとして二つの使い方を考える必要があります。
　Ex.1 I slept too much today.「今日は寝すぎた」
　Ex.2 The child has too much money.「その子はたくさんお金を持ちすぎだ」
Ex.1はtoo muchを単独で副詞として（時には名詞として）「過度（に）」という意味で使用する方法です。もう一つの使い方Ex.2は名詞に付けて「（量が）多過ぎる～」として使う方法です。これは「数が多い」（too many people：人の数が多過ぎる）などと対になる使い方です。
　前置きが長くなりましたが以上のことを踏まえて、本題の①と②の意味の違いについてお答えすることにします。
①は「ひどく(much)混みすぎ(too crowded)ている」ということ、言い換えれば「混みすぎの状態」が「ひどい」ということで、②は過度に(too much)混んでいる(crowded)といったところでしょう。屁理屈のようになってしまいましましたが、いずれにしても、「大変混んでいる」ということを表しているにすぎません。構造的にtooの修飾する語が違うということだけで、あまりこだわる必要はないと思います。
　しかし、一つだけ注意してほしいことがあります。それは、次のようなケースです。これはセンター試験の問題です。
　（　　　）に入る適語を選んでください。
　You shouldn’t have bothered, Mrs.Owens; you’re ( ) to me.
　　① much too kind 　②　too much kind
いかがでしょう。正しく選べましたか。正解は①です。その理由は、今回の質問とはちょっと視点がちがいますが、muchが修飾できるものを考えると分かります。つまりmuchは基本的に形容詞の原級は修飾できません。ですからmuch kindは成り立たないということになります。much tooとtoo muchの問題ではなく、too kindかmuch kindかの問題ということです。あまりにも型に拘った勉強をしていると、視点の柔軟性がなくなってこうした基本的な約束事も見えなくなってしまうことがあります。英文法を勉強する時は、是非色々な角度からも見る癖をつけてください。この問題に関して言えば、“引っ掛け問題”とまでは言わないまでも、センター問題としてはちょっと酷な気もしますが。