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受験英語教えて110番 No.149「肯定文とany」

Q. ①Any child can climb the mountain.と②Every child can climb the mountain.の意味の違いがはっきりしません。

解答・解説

A.これは肯定文でのany(どの~も)とeveryの違いということになるわけですが、それぞれの意味をみても、①「どんな子供でもその山には登れます」、②「どの子供もその山には登れます」となり意味的には違いがはっきりしません。これは表面的な意味の違いというよりも、発話時での「意識の前提条件の違い」と言ったほうがいいかもしれません。
 では「意識の前提条件の違い」とは何か。それを説明する前に、まずそのヒントとなる既習済みのいくつかの文法的ルールを見てみましょう。
 Ex.1 Are there any letters for me?「私に手紙が来ていたりしますか」
 Ex.2 Are there some letters for me?「私に手紙が来ていませんか」
ここに一つのヒントがあるかと思います。Ex.1とEx.2を比べてみると、Ex.1では自分に手紙が来ることが前提にはなっていないのに対して、Ex.2では自分のもとに手紙が来ることが前提になっているというところがポイントとなります。つまりanyは意識の中で「現実的な行為を期待していない場合に使うもの」で「現実的な行為が行われるか、もしくは現実的な行為を期待している場合には使えない」と考えても良いかもしれません。つまりEx.1で言えば、もともと手紙など来ているとは期待していないということです。
 また次の例をみてください。
 Ex.3 Would you have some (×any) more tea?「お茶をもう少しいかがですか」
   Ex.4 He ate some (×any) cake on the table.「かれはテーブルの上のケーキを食べた」
Ex.3について言えば、本来someは疑問文ではanyになるという基本的なルールがありますが、Ex.3のように、お茶を飲むということが当然の前提条件であるような場合にはanyにはなりません。またEx.4のように具体的な行為がすでに行われたという文脈ではanyは使えません。このことからも、anyは現実的な行為を期待している場合には使えないということがはっきりします。
 ここで質問に戻りましょう。上で述べたようにanyが「現実的な行為を期待していない場合に使うもの」という観点から①の意味をわかり易く読み解いてみると次のようになると思います。「その山は、実際に子供が登ぼるかどうかはわかりませんが、もし登ろうと思えばどんな子供でも登れるくらいの山です」、また同様にして②を日本語に直すと「その山に子供達が登るのですが、どの子供も全員登ることができるはずです」
   今回のようなanyの使い方は、単に英語の学習に留まることなく、その言葉を使う背景という側面からも興味深いものがあります。最近大学受験の英語も「実用英語重視」になりつつありますが、私は英語学習の一つの側面としてこのような「言葉の不思議さ」みたいなものを学習する機会があってもいいのではないかと思う次第です。

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