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受験英語教えて110番 No.104「分離不定詞」

2017年02月20日

Q. 「母は私に丁寧に名前を書くようにと言った」を英語にした時 ①My mother told me to carefully write my name. よりも②My mother told me to write my name carefully.のほうが良いと言われましたが、不定詞でtoと動詞の間に副詞が入っているのをよく見ますがどのような時にそれは許されるのですか。

A. 不定詞でtoと動詞の間に副詞が入った形は「分離不定詞」とか「分割不定詞」と呼ばれていいて、いわゆる「規範文法(誰もが正しいと認める文法)」では、この「分離不定詞」について従来は「文意に誤解が生じない限りは使用してはいけない」としてきました。しかし実際には、意味を明確にしたり、文のリズムを保つためによく見られる形で、最近は容認される傾向にはあります。ですから上の①の英文も許容されるでしょうし、さらに次のような英文も目にしたことがあるかもしれません。
 Ex.1 My mother told me carefully to write my name.
ただ、このEx.1の英文に関してはcarefullyの修飾先がtoldなのかwriteなのか若干曖昧さが残りますので、できれば避けた方が良いかもしれません。結論としては、本来この「分離不定詞」は上でも言いましたが、意味の曖昧さや誤解を避けるために“緊急避難的”に使用されるものですから、今回の質問の英文では②の言い方が一般的だと考えてください。
 また、もしこの文で、丁寧=politelyと考えて、次のような英文にした場合にはどうか、
 Ex.2 My mother told me to write my name politely.
この場合、politelyはwriteよりもtoldを修飾し「丁寧に言った」となる可能性が高くなり、誤解を生じるおそれがあります。つまりpolitelyは日本語の“丁寧な”の意味ではあっても“礼儀の正しさ”の方を指す言葉なので、“字の見易さ”や“正しさ”には使わないからです。ですから、もしEx.2で「“丁寧なしぐさで書く”ように言った」というような言い方をもとめるのであればto politely write(分離不定詞)で表すことが可能です。
 以上「分離不定詞」についての基本的な考え方をお話ししましたが、言葉というのはあくまでもコミュニケーションの一手段であって、意思伝達が誤解無く行われるという範囲内であれば、規範を外れることもしばしばあるということも頭に入れて置いてください。