Q. ① You have a good friend in me.「あなたには私という良い友達がいる」という英文がありましたが、ここでのa good friendとmeは同格として考えればいいのでしょうか。もしそうであれば ② You have a good friend, me.と書くこともできますか。
A. 確かにinには「同格」としての用法もあります。ですから①のinは「同格」と考えても良いと思います。ただ「同格」だからと言って②のように語順をそのまま書き換えてしまうことには慎重になった方がいいでしょう。というのも、「同格」には2種類あるからです。
Ex.1 I invited Mr. Yamada, a famous painter, to my house.「私は山田さん、つまり有名な画家を家に招待した」
Ex.2 I invited a famous painter, Mr. Yamada, to my house.「私は有名な画家の山田さんを家に招待した」
Ex.1では後続するa famous painterが前の名詞Mr. Yamadaを補足する役割をしていて、構造的には“言い換え”の形をしています。つまりEx.1は後続の同格名詞が独立しているいわゆる「非制限的同格」です。一方Ex.2は、A famous painterがMr. Yamadaを修飾する形をとり、前の名詞が後続の名詞を“形容詞的に修飾”するような形になっています。これは「制限的同格」です。
上の二つのパターンを理解してもう一度英文①と②を見てみましょう。①の英文では“私という良い友達”という言い方になっていて、「私」を「良い友達」と言い換えています。つまり意味的には「非制限的同格」ということになり、inを外して同格表現にした場合には、You have me, a good friend.という語順になるはずです。今回のinを使った同格表現では基本的にはinの前にある名詞句は「性質」や「資格」を表わしinの後ろに「具体的な人や物」がくるということも覚えておいてください。また、この構文でのinは次のような英文をもとにしていると考えると分かり易いかと思います。
Ex.3 You have a good friend in ( the person of ) me.
また、次の例文をみてください。
Ex.4 He has a hotel in a yacht.「彼にはヨットというホテルがある」
⇒ He has a hotel in the form of a yacht.
このように「同格」のinについてはin the ~ of …「…のような」の形をその原形としていると考えることも出来ます。
以上、今回の質問に答えるためにちょっと細かくなりましたが、英文が正確に読めるという大前提だけを考えるなら、ここまでの細かい語法にこだわる必要はないかとも思います。
