Q. ①「日本人は議論を避けようとするということがよく指摘される」この時の議論はdiscussion・argument・disputeのどれを使うのが良いでしょうか?
A.まず、それぞれの基本的な意味から確認してみましょう。
最初にdiscussionですが、これは“しっかりした設定のもと一つの結論を導くために色々な意見の交換を行うこと”を意味します。
Ex.1 What was absent from the discussion was any kind of direction or purpose.」
「その議論に欠けていたのは、方向や目的と呼べるものだった」
次にargumentですが、これは“反対意見を述べたり、時には自説を感情的に言い合い、相手を説き伏せる感情をともなうような議論”を指します。
Ex.2 Her argument didn’t convince me.「彼女の議論では私は納得できなかった」
最後にdisputeですが、これはまさに口論で「口角泡をとばすような言い争い」を指します。
Ex.3 The dispute between the landlord and tenants was the rent increase.
「家主と借家人の間の言い争いは賃料の値上げの件だった」
以上三者の違いを見ましたが、今回の質問に関して、①の日本語からするとargumentを使うのが一番適切ではないでしょうか。というのも「避ける」という日本語があるのを考えると、discussionではなさそうです。そもそもdiscussionは“避けるもの”ではないのですから不適切でしょうし、disputeは日本人に限らず誰でも、できれば逆に“避けたい”ものです。ですからdisputeを使う場合には①のような日本語にはならないでしょう。やはり消去法でargumentが最も適切だと思います。
ちなみに①を英語になおしておきましょう。
① It is often pointed out that Japanese people try to avoid arguments.
