Q. ① I believe him to be honest.(私は彼が正直だと信じている)、② I believe him to know the fact.(私は彼がその事実を知っていると信じている)③ I believe him to go there.(私は彼がそこに行くと信じています)
①~③で①②はOKで③は×となる理由を教えてください。
A. ③が×ということですが、③も完全に×だということでもなく、あっても希なケースだということです。ただ、goの場合であれば次のようになるのが一般的です。
Ex.1 I believe that he will go there.
このようにthat節で表すのがベターだということです。これにはいくつか理由があるとは思いますが、それは後ほど説明することとして、まず確認しなければいけないことは、①のbe、②のknowがいわゆる「状態動詞」と言われるものだということです。この「状態動詞」がtoに後続する場合には、この構文<believe+[目的語]+to ~>が可能であるといえます。これはthinkやsupposeなども同じですが、「動作動詞」が来る場合にはthat節で表すのが一般的だということです。
さて③が不可である理由についてですが、これは私見も交えてお話しします。to の後ろに「動作動詞」と「状態動詞」がくる場合の決定的な違いは、to ~が表す時制に“曖昧さ”が残るかどうかということだと思います。to+「状態動詞」の場合には述語動詞と、この場合にはbelieveですが、to~の時制(①と②では現在形)が一致して、そこには“曖昧さ”がありません。しかし③のような「動作動詞」ではどうでしょう。時制的には未来と現在の二つの可能性がでてきてしまいます。例えば質問者は③を未来として訳していますが、現在形だと考えたらどうなるでしょう。つまり「私は彼がそこに通っていると信じています(習慣)」と訳すこともできるわけです。そこには“曖昧さ”が残ります。この「“曖昧さ”を避けるためにthat節をとる」と考えればすっきりしませんか。「動作動詞」でも次のようなケースは許されていることを併せて考えると、この論理が納得してもらえるのではないでしょうか。
Ex.2 I believe him to be going there.「私は彼がそこに向かっていると信じている」
Ex.3 I believe him to have gone there.「私は彼がそこに行ってしまっていると信じている」
上の英文のEx.2は現在の行為であり、Ex.3は過去の行為であることは明らかなのでthat
節で表さなくても、そこには時制の“曖昧さ”は存在しません。このことからも、<
believe+[目的語]+to ~>でのtoに後続するものが「動作動詞」の場合、時制の“曖昧さ”
が存在する限りにおいては避けるべきだということではないでしょうか。自説も交えての
説明ではありますが、何か参考になればと思います。
